柴田さんのカナダ便り
[ 第二回 ]
先週前半までは雨が降ったり、寒い日は最高気温7℃/最低3℃などという日があったのですが、週末から急に暖かくなり、今日は何と34℃という真夏のようなお天気でした。気象情報を見たら夜の9時でも気温は32℃でした。予報によると、数日この暑さが続き週末には一気に15℃くらい下がるようです。本格的な夏の到来はもう少し先の様子です。
ごめんなさい、お送りした家の写真は私達が来る前に主人が撮ったもので冬のものです。私達がこちらに来た頃に春になり、街は新緑や沢山のお花に溢れとても綺麗です。敷地内にはとても高いメープルの木がありまして、窓の外に揺れる葉のグリーンがとても綺麗です。
日本人補習校の生活科の課題の中に、植物の定点観測(1年間同じ木を観察するものです)があるのですが、朋彦は迷わずこのメープルに決めていました。家の周囲にはリスが沢山います。先日、お野菜の種を植えましたら種をすっかり食べられてしまいました。また、先日は登校時にすぐそばの街路樹でアライグマの親子を発見!子供達は学校に着くなり”racoonをみたよ!”とお友達に報告したそうです。
ここはデパートもオフィス街も歩いて行ける都心なのですが、自然に溢れていて驚きます。オンタリオ湖があるのでカモメが飛んでいますが、カラスはいないんですよ。ゴミを荒らされないので助かります。
先日、こちらからリクエストして子供達の担任の先生方と面談をして頂きました。主人に同席してもらったのですが、子供達は9月からそれぞれ3年、5年に進級するよう勧められたのです。日本では2年・4年になったばかりですし、来たばかりで言葉のハンディがあり授業についていけないでしょうと反論したのですが、二人共大丈夫です、と強くおっしゃるのです。主人は先生が言って下さるのなら、と納得していましたが、多くの日本人のお子さんが現地校の学年を落とす中で、私は不安で仕方ありませんでした。
幸いな事に補習校は日本の学齢で学年が決まるので、日本人学校では尭は4年生・朋は2年生の勉強が出来ます。 そこで尭彦のクラスのもえかちゃん(通訳してくれる頼もしいお嬢さん)のお母さんに相談してみました。もえかちゃんには上に高2と高3のお姉ちゃまがいらっしゃいます。
お母さんいわく、真ん中のお姉ちゃまが中1を終えてこちらに来た時はとても大変だったそうです。「日本で英語を1年やってきたんだから、これくらい分かるでしょう?」という雰囲気で、おまけにそのお嬢さんは性格的に引っ込み思案なので、周囲に溶け込むまでにものすごく時間がかかったとか。
うちの子達は人見知りをしないし、お友達ともすぐ仲良くなっているので大丈夫じゃないかしらと言われました。 小学生の場合は、英語が母国語でないお子さんに対して学校も周囲のお友達も手厚くサポートしてくれるそうです。 来たばかりで語学力においてハンディを抱えている尭彦に、現地のお子さんと同じレベルの宿題をどっさり課す事もないし(これは先生もおっしゃっていました)、日本のように何が何でも全部 きちんとやってこないと絶対ダメ、という事はなく、どんなに頑張っても出来ない宿題の時にははっきり出来ないと申し出るとか、「ここまでは自分の力で解けました・ここから先は親が一緒に考えました」などとコメントをつければいいそうです。
こちらの学校は幼稚園年中〜中2までの10年という長いスパンで教育内容を決めているので、例えば幼稚園でも計算を教える事があるそうです。朋彦の2年生クラスで既に分数の足し算を勉強し終わっているのにびっくりしました。日本では4年生の尭彦でさえまだ習っていません。他にも朋のまとめのテストでは立体、筆算などまだ習っていない項目がいくつかありました。
一般的に日本は算数の授業が進んでいて、日本の子が海外に行くと算数は楽ちんと聞いていたのですが、カナダではあてはまらないようです。尭彦の担任の先生に「Takaの算数の能力は常にトップクラスで素晴らしい」と絶賛されたのですが、100マス計算のようにたまたま尭が日本で習っていた内容が続いたのでしょうね。 2年生の教室には自分の机がありません。クラスに丸テーブルが5つあって、それぞれのテーブルで学ぶ単元が決まっています。
例えば算数だと「パターン認識・計量・図形」など5つの単元に分かれていて、数人ずつお勉強します。もちろん先生は一人で各テーブルを回りながら、教えていらっしゃいます。音読や体育・音楽などは全員一緒にやるのですけれど。教科書も教科別のノートもありません。先生が配るプリントに沿って勉強していきます。すぐに答えを出すのではなく、まず自分で方法を考えて(計量・計測の場合は答えがどんな値になるか推測してから)実際にやってみる・計算してみるのです。考え、答えを導く過程を大事にする指導のようです。
学校に持っていくのは基本的にお弁当と飲み物だけです。授業内容によって、図書館から借りた本や体育用のズボン・体育館のシューズなどを持参する日もあるのですが・・・子供達はリュックに自分の筆箱と英和辞典を入れて持って行っていますが、鉛筆やはさみなど授業に必要な物は全部学校に揃っていて、生徒はそれを借りるというスタイルです。
朋彦はクラスや図書館から本を借りて家で読み、その本の要旨と感想ををまとめて書いていく、という宿題が毎日のようにあります。子供の本でもあなどれず、難しい本を借りてこないで〜といつも祈っているのですが、私の意志に反してとっても長い本を借りてきてくれます。
尭彦の理科の授業内容にも驚きました。地球と鉱物に関する内容だったのですが、ダイヤモンドや水晶は分かったものの、黒曜石や地殻・火成岩・古生物学者・溶錬など見たこともない単語が沢山出てきまして、辞書で調べるだけで1時間かかりました。おまけに日本語に直しても尭の知らない言葉がほとんどで、英和辞典のみならず国語辞典も動員する有様でした。
一緒に勉強していたら少しは頭が柔らかくなるかなあと淡い期待を抱いています。 あれこれ悩みましたが、子供達も仲良くなったお友達と一緒に進級したいと言っているので、9月から3年・5年に進ませようと思います。数ヶ月後、親子で泣いていないといいのですけれど・・・
5年生になると地域探検や見学など学校から出かける機会や調べ学習・発表が増えるので、果たして授業についていけるのか心配ですが、子供の持つ果てしない可能性に希望を託し、この国の人のように「何とかなる」とのんびり構えるこ とにしました。
最後の船便が6月末にこちらに来るので、引越しの荷物整理は夏休みまでかかりそうです。明日はお友達から紹介されたデコパージュのレッスン風景を見学に行ってまいります。偶然にも教えて下さる方が、日本人補習校の朋彦の担任の先生なのです。日本人学校の様子などざっくばらんに伺えるそうなので、楽しみにしています。
また、9月から州主催の大人向けESLの教室に通うつもりでおります。英語のレッスンは月〜金まで週5日/お弁当持参で9:30〜15:00まで行われるもので、朝学校に子供達を送ってその足でお教室に向かい、レッスンが終わってすぐにお迎えに戻る、というハードな毎日になりそうです。子供達の送迎があるため当面大学には通えそうにありませんし、英語はマストアイテムですので頑張ってみようと思います。
レッスンに通っている方によると、生徒さんの顔ぶれが実に多彩で(さすがカナダ)興味深いそうです。 学校は6月末で終わり夏休みに入りますが、子供達には教育庁主催のESLのレッスン(月〜金の午前中/7月いっぱい行われます)を申し込みました。3回休むと除籍されるという厳しいものですが、内容が充実していて英語力がつくそうなのでバカンスは8月のお楽しみにして、行かせる事にしました。
だらだらと長くなりました。お付き合い頂きありがとうございました。 初の海外生活は毎日が発見と驚きと勉強の連続です。また報告させて頂きますね。
P.S.添付の写真は世界一高いCN Towerを訪れた時とAfrican Lion Safari で象に乗った時のものです。



